外国人就労ビザとは?種類・要件・取得後の注意点まで行政書士がわかりやすく解説

採用ノウハウ

外国人就労ビザに関する疑問について、この記事をご覧いただければ解決します。

「外国人就労ビザ」という言葉は、この記事を見ていただいている皆様であれば、一度は聞いたことがあると思います。

「外国人就労ビザって、言葉は良く聞くけど具体的に何なのか分からない」

「外国人就労ビザがあれば、どんな仕事でもできるのかな」

「外国人就労ビザって、どうすれば取得できるの」

「外国人の雇用を検討しているけど、良く分からなくて」

などの疑問をお持ちなので、当記事を見ていただいているのだと思います。

そんな「外国人就労ビザ」に関する疑問点を現役行政書士が徹底解説します。

最後まで、読んでいただければ疑問点について理解できると思います。

最後まで読んでいただいて「外国人就労ビザ」についての理解を深めていきましょう。

【筆者プロフィール詳細】

行政書士・第一種衛生管理者・EAPコンサルティング・ファイナンシャルプランニング技能検定3級

長年の総合人材サービス会社にて労働法令・労働市場・雇用関係に精通しており

行政書士としては申請取次士として、数多くの在留資格の申請に携わる。

また、企業・団体などの外国人雇用に関する相談実績も多数。

外国人労働者の現状を知ろう

現在、どのくらいの外国人が日本で働いているのでしょうか?

なんと、日本の三大都市である「名古屋市」の人口とほぼ同じなんです。

外国人労働者については、少子高齢化の影響を受けて、日本人の労働人口が減るなかで、政府としても労働力確保のために様々な政策を講じてきました。

特に外国人労働者の増加を大きく押し上げた政策としては、

・2018年入管法改正(2019年施行)の特定技能制度(1号・2号)の創設

・2010年以降の技能実習生制度の拡大などがあげられます。

では、具体的に数字を見ていきたいと思います。

2025年末時点では、在留外国人は約395万人、外国人労働者は約257万人を超えています。

在留外国人は、コロナ禍で一時的に減少はしたものの、その後は毎年30万人以上の増加となっています。

また、外国人労働者についてもコロナ禍で増加数は鈍化しましたが、2023年からは毎年20万人以上の増加となっています。 

この数字は、日本社会と経済を支える重要な存在として、外国人の役割がますます大きくなっていることを示しています。

特に就労ビザの中でも、技能実習、特定技能、技術・人文知識・国際業務の増加が著しくなっているのも特徴だと言えます。

出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ,出入国管理庁「在留外国人統計」

出典:出入国管理庁「在留外国人統計」より作成

出典:出入国管理庁「在留外国人統計」より作成

そもそもビザと在留資格って違うの?

「就労ビザ」とか「永住ビザ」とか「ビザ申請」とかに皆さん「ビザ」という言葉を使っていますよね。

では、「ビザ」と「在留資格」って違うの?と思いませんか。

実は、違うのです。

どこが違うのかについて、説明していきます。

・ビザとは

日本に入国するための“推薦状”のようなもので、海外の日本大使館や領事館が発行します。 

パスポートに貼付され、入国審査の際に提示することで、日本に入るための「入口」を開く役割を果たします。 

管轄は外務省です。

・在留資格とは

日本に入国した後に、どのような活動をして滞在するかを定める“滞在許可”です。 

たとえば「技術・人文知識・国際業務」や「留学」「永住者」など、活動内容に応じた資格が与えられます。 

管轄は法務省で、入国後の在留管理を担っています。

このように、ビザと在留資格は「入国前」と「入国後」で役割が分かれており、 

それぞれの制度を理解することが、適切な申請や対応につながります。

では、なぜ、一般的に在留資格をビザと呼ぶのでしょうか?
これは「在留資格」という言葉が専門的で分かりづらいため、 より馴染みのある「ビザ」という言葉で代用されている。
または、英語では「visa」という言葉が、入国許可や滞在資格の両方を含む意味で使われることがあるため、

日本語でも「ビザ=滞在資格」と誤って理解されるケースが多いということです。

ビザの3つの分類について知ろう!

日本のビザ(在留資格)は大きく3つのカテゴリーに分けることができます。

・就労系ビザ

日本で働くことを目的とした在留資格で、職種や活動内容に応じて細かく分類されています。 

たとえば「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「介護」「特定技能」などが含まれます。 

専門性や雇用契約の有無が審査のポイントになります。

・居住系(身分系)ビザ

これは日本人や永住者との家族関係などを理由に、比較的安定した在留が認められる資格です。 

 「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」などが該当します。 

活動内容の制限が少なく、就労も可能です。

・その他ビザ

就労以外の目的で滞在するケースで、「留学」「研修」「文化活動」「短期滞在」などが含まれます。 

一部は就労不可、または制限付きの活動となります。

19種類の就労ビザと要件

就労ビザについては、現状19種類あります。

まず、前提として外国人が日本で行おうとする活動が、日本の入管法(出入国管理及び難民認定法)に定められている在留資格の活動に合致していることが必要となります。

具体的に下記の19種類の在留資格を就労ビザと呼びます。

在留資格活動の内容対象者在留期間
①外交日本政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員、条約若しくは国際慣行により、外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動外国政府及び国際機関の職員等とその家族外交活動を行う期間
②公用日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(外交の項に掲げる活動を除く)日本政府が承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事するものとその家族5年、3年、1年、,3月、30日又は15日
③教授日本の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動大学の教員など5年、3年、1年、3月
④芸術収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動(興行の項に掲げる活動を除く)作曲家、画家、著述家など5年、3年、1年、3月
➄宗教外国の宗教団体により日本に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動外国の宗教団体から派遣される宣教師など5年、3年、1年、3月
⑥報道外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動外国の報道機関の記者、カメラマンなど5年、3年、1年、3月
⑦高度専門職我が国の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる高度の専門的な能力を持つ外国人の受入れをより一層促進するため、他の一般的な就労資格よりも活動制限を緩和した在留資格。高度専門職1号と2号がある。研究・教育活動など、高度な学術研究活動に従事する人システムエンジニアやプログラマ主たる活動と関連する事業を自ら経営する人・「高度専門職1号」5年
・「高度専門職2号」無期限
⑧経営管理日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)企業等の経営者・管理者5年、3年、1年、6月、4月又は3月
⑨法律・会計業務外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動弁護士、公認会計士など5年、3年、1年又は3月
⑩医療医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動医師、歯科医師、看護師など5年、3年、1年又は3月
⑪研究日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(教授の項に掲げる活動を除く。)政府関係機関や私企業等の研究者5年、3年、1年又は3月
⑫教育日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動中学校・高等学校等の語学教師など5年、3年、1年又は3月
⑬技術・人文知識・国際業務日本のの公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(教授、芸術、報道の項に掲げる活動、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行の項に掲げる活動を除く。)機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等5年、3年、1年又は3月
⑭企業内転勤日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動外国の事業所からの転勤者5年、3年、1年又は3月
⑮介護日本の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動介護福祉士5年、3年、1年又は3月
⑯興行演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(経営・管理の項に掲げる活動を除く。)俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など3年、1年、6月、3月又は30日
⑰技能日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人など5年、3年、1年又は3月
⑱特定技能法務大臣が指定する日本の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要す る業務に従事する活動(1号)または熟練した技能を要する業務に従事する活動(2号)特定産業分野での業務に従事する者・特定技能1号は法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲)・特定技能2号は3年、2年、1年又は6月
⑲技能実習外国人が、日本に技術を学びに着て、海外へ技能移転をするための活動(1号から3号まで)技能実習生・技能実習1号は1年以内、技能実習2号、3号は2年以内

就労ビザ取得後の5つの注意点

就労ビザは取得して、それで終了ではありません。

取得後についても、様々な場面で注意する点がありますので、代表的な注意点をいくつか見ていきましょう。

①在留資格で「できる仕事」以外はできない

就労ビザは、在留資格ごとに従事(活動)できる業務内容が限定されています。

正社員で外国人を採用したからと言って何でもOKというわけではありません。

取得した就労ビザの活動内容以外の活動を行うと「資格外活動・不法就労認定のリスク」が発生します。

② 転職・配置転換は「自動的にOK」ではない

同じ就労ビザでも業務内容が変わると不適合となることがあります。新しい業務内容でも取得した就労ビザで在留資格要件を満たすか再確認が必要です。

③ 退職・内定取消後は「14日以内」の届出義務

・外国人本人が行う届出

就労ビザを持って働く外国人が雇用先の企業を退職した時は、退職した日から14日以内に「所属機関に関する届出」を入管に提出する必要があります。

・雇用していた企業が行う届出

就労ビザを持つ外国人を雇っている企業側も、外国人従業員が辞職した時は辞職から14日以内に「中長期在留者の受け入れに関する届出」を入管へ提出する必要があります。

また、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づき、外国人を雇用する事業主の方に対し、外国人労働者(在留資格「外交」、「公用」及び特別永住者を除く)の雇入れ及び離職の際に、「外国人雇用状況の届出」を義務づけています。(届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。)

④ 在留期限管理は本人・企業の「共同責任」

就労ビザには在留期間があります。この在留期間中に更新を忘れてしまうと、不法滞在になってしまうため注意が必要です。

更新は在留期間終了の3か月前から申請は可能となります。

本人は、「会社が行ってくれると思っていた。」

会社は、「本人が行うと思っていた。」などのトラブルが発生しないように管理責任を明確にしておきましょう。

⑤ 報酬・雇用条件の変更は要注意

報酬に関しては、就労ビザを取得する際の要件として「日本人と同等以上の報酬」というものがあります。この要件については更新時にもチェックされる項目となっているので、就労ビザ取得後に報酬を変更、特に報酬を下げるということについては慎重に検討すべきです。

雇用条件の変更については、特に職種変更などは注意すべきです。

これは、就労ビザを取得時に申請した「在留資格ごとにできる仕事」から、外れてしまう可能性が高くなり、資格外活動・不法就労に当てはまる可能性もあります。

⑤ 住民税・社会保険の未納・滞納

税金や社会保険の未納・滞納については、就労ビザの更新時に確実に見られるポイントとなります。

就労ビザの更新審査では、単に「仕事をしているか」だけでなく、「日本で適法かつ安定して生活しているか」が判断されます。

その指標として税金・社会保険の履行状況は最も客観的な証拠として位置づけられています。

特に未納の場合は、更新の許可は、ほぼ許可されなくなる可能性が高くなります。

まとめ

・現状の外国人労働者数は、日本の三大都市である「名古屋市」の人口とほぼ同じ

・「ビザは入国推薦状」「在留資格は滞在許可証」

・在留資格は大きく3つのカテゴリーに分類できる。

・就労ビザは現在19種類あり、外国人の在留中の活動内容により在留資格が変わる。

・就労ビザ取得後も、次の更新のために様々な注意点がある。

ここ数年の政策や在留外国人人数、外国人労働者数に推移を見ると、日本において外国人労働者は不可欠であり、少子高齢化が進むことで、今後は更に外国人労働者に頼らざるを得ない状況であることは言うまでもありません。

今回は、就労ビザの疑問点について解説してきました。

今後外国人を採用する際にはこの記事を是非参考にしてください。

動画で解説

本動画は公表データを基にした一般的な情報提供を目的としています。
個別の在留資格該当性・許可可否は、雇用内容や本人の経歴により異なります。