技人国のネパール人社員を米国の1か月研修へ|研修参加に必要なB-1ビザを取得した事例

許可事例
許可事例 技人国(通訳・翻訳) 米国B-1ビザ 海外研修・出張 VWP非対象(ネパール) ビザ発給

技人国のネパール人社員を米国の1か月研修へ|研修参加に必要なB-1ビザを取得した事例

行政書士 加治屋事務所|外国人社員の海外研修・渡米ビザ支援事例

技人国で働く外国人社員を、海外の提携先企業の研修に参加させたい——そのとき問題になるのが、渡航先のビザです。 本記事では、通訳・翻訳業務に従事するネパール国籍の社員が、米国の提携先企業で行われる約1か月の研修に参加するため、 米国のB-1ビザを取得した事例をご紹介します。ESTAが使えない国籍の方の渡米準備、B-1ビザで研修に参加するための条件、 面接準備のポイントを、行政書士の実務目線で解説します。

📌 本記事の前提 本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別案件の許可を保証するものではありません。 米国ビザの制度・手数料・面接運用は変動します。最新情報は米国国務省(travel.state.gov)・USCIS等の公式情報をご確認ください。 なお、米国ビザの申請・面接は申請者本人が行うものであり、日本の行政書士が申請を代理するものではありません(当事務所の関与範囲は後述します)。
最終結果:許可(B-1ビザ発給)
DS-160(オンライン申請書)提出
2026年4月30日
在日本の米国大使館(東京)での面接
2026年8月17日
B-1(商用訪問)ビザ 発給
2026年9月7日

ケース概要

国籍・性別
ネパール・女性
日本での在留資格
技術・人文知識・国際業務(通訳・翻訳業務)
勤務先
日本のA社(社名非公開)
渡航目的
A社の業務提携先である米国の提携先企業(C社)が実施する約1か月の研修(座学・視察)に研修生として参加(2026年11月から)
取得ビザ
米国 B-1(商用訪問)ビザ
研修中の給与
日本のA社が継続して負担(米国源泉の報酬なし)
難易度
中〜高(第三国での申請・非移民意図の立証・面接予約までの長期化)
担当
行政書士 加治屋事務所
BACKGROUND

事案の背景——技人国の外国人社員を、米国の提携先での海外研修へ

申請人は、日本の企業(以下「A社」)で在留資格「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)により 通訳・翻訳業務に従事するネパール国籍の女性です。A社は、米国の企業(以下「C社」)と業務提携関係にありました。

今回、C社が日本側のスタッフを招き、2026年11月から約1か月間の研修を米国で実施することとなりました。 研修は座学(講義)と視察が中心で、実地の生産的労働を伴うものではありません。 A社は、通訳・翻訳を担う申請人を研修生としてこの研修に参加させることとし、そのための渡米ビザの取得が課題となりました。

技人国の外国人社員の海外出張・海外研修では、日本の在留資格の手続きだけでなく、渡航先の国のビザが必要かどうかもあわせて確認する必要があります。

KEY POINT 1

そもそも、なぜB-1ビザが必要だったのか——ネパールはビザ免除の対象外

📌 ネパールはVWP(ビザ免除プログラム)の対象国ではない 日本国籍者などは、米国のビザ免除プログラム(VWP)により、ESTA(電子渡航認証)だけで短期の商用・観光渡米ができます。 しかしネパールはVWPの対象国に含まれていません(2026年時点でVWP対象は42か国)。 そのため申請人は、ESTAではなく正規のB-1/B-2ビザを取得し、在日本の米国大使館での面接を受ける必要がありました。 「日本に住んでいるから日本人と同じようにESTAで行ける」わけではない、という点が実務上の最初の分かれ目です。

申請人は日本に生活の本拠を置く居住者であるため、本国ネパールではなく在日本の米国大使館(東京)で申請・面接を行いました (居住国での申請)。第三国(母国以外)での申請となる点も、本件の特徴のひとつです。

KEY POINT 2

なぜB-1ビザ(商用訪問)で研修に参加できたのか

米国のB-1ビザは、米国内で「就労(現地雇用)」に当たらない商用活動のための非移民ビザです。 米国国務省・USCIS・CBPの公表情報によれば、B-1で許容される活動には、商談や会議への参加などのほか、 短期の研修(training)への参加も含まれます。ただし、次の条件を満たすことが前提です。

✅ B-1で「研修」が認められるための主な前提
  • 米国内を源泉とする報酬・給与を受け取らないこと(渡航・滞在にかかる実費の精算・支給は可)
  • 研修期間中も本国(日本)の雇用主から給与が支払われ続けること
  • 研修が生産的労働(productive work)にあたらないこと(座学・視察・見学等)

本件では、①研修中の給与は日本のA社が全額負担し、米国のC社からは報酬を受けていないこと、 ②研修が座学と視察で構成され、実作業を伴わないことが明確でした。 この2点により、本件は「就労」ではなく「商用の短期研修」として、B-1の枠組みに整理できる事案でした。 給与明細・源泉徴収票は、この整理を裏づける重要な資料となりました。

⚠ もし「実地作業」や「米国側からの報酬」があったら?

研修が実地の作業(ハンズオンの労働)を伴う場合や、米国側から給与・報酬を受け取る場合には、 B-1ではなくH-3(研修)やJ-1(交流訪問)等、別のビザカテゴリーが必要になり得ます。 「研修だからB-1でよい」と短絡せず、研修の実態(報酬の出どころ・作業内容)から使えるビザを判断することが重要です。

KEY POINT 3

最大の論点——「帰ってくる人」であることをどう示すか(非移民意図)

B-1/B-2などの非移民ビザの面接では、「米国に不法に残らず、期間終了後に帰国する人か」(非移民意図。米国移民国籍法214条(b))が 重要な判断要素になります。とりわけ本件は、ネパール国籍の申請人が第三国である日本から申請する事案であり、 「日本での生活・就労がしっかり継続する=帰ってくる」ことを客観資料で示すことが鍵でした。

当事務所は、申請人が日本で技人国により安定的に就労している事実を示すため、 在籍証明書・給与明細・源泉徴収票・住民票等を整え、面接での説明が一貫するよう想定問答を準備しました。 「なぜ研修に行くのか」「誰が費用を負担するのか」「研修後はどうするのか」といった質問に、 事実に基づいて明確に答えられる状態を整えることを重視しています。

SUPPORT

当事務所の関与範囲——米国ビザは「申請代理」ではなく「準備支援」

📌 行政書士ができること・できないこと 米国ビザの申請・面接は申請者本人が行うものであり、日本の行政書士が本人に代わって申請・面接を代理するものではありません。 当事務所が対応したのは、あくまで渡米に向けた準備の支援です。

当事務所の主な対応内容

  • DS-160(米国ビザのオンライン申請書)の入力補助
  • 面接・申請に必要な書類の整理・整備(給与負担や在職の裏づけ資料など)
  • 面接に向けた想定問答(想定質問への回答準備)の作成・打合せ
  • 渡航目的・研修内容の整理(B-1で参加可能な研修であることの説明資料)

主に準備・整備した資料

渡米(B-1ビザ取得)に向けて準備した主な資料

  • 米国側(C社)からのサポートレター(招へい・研修受入れの説明)
  • 研修(渡航)に関する説明書
  • 給与明細・源泉徴収票(研修中の給与を日本側が負担していることの裏づけ)
  • 在籍証明書(日本での就労継続=帰国予定を示す資料)
  • 住民票
  • 面接の想定問答(想定質問への回答準備)
  • 業務提携・研修受入れの実態を示す資料(提携関係・事業実態に関する資料等)
TIMELINE

時系列

2026年4月30日
DS-160(オンライン申請書)提出
当事務所が入力補助を行い、渡航目的・研修内容と整合する内容で作成。
2026年8月17日
在日本の米国大使館(東京)で面接
DS-160提出から面接までは相応の期間を要した。想定問答に沿って、渡航目的・費用負担・帰国予定を一貫して説明。
2026年9月7日
B-1(商用訪問)ビザ 発給
研修参加に必要なB-1ビザを取得。所定の研修に参加できることとなった。
2026年11月〜
米国での研修(約1か月)に研修生として参加
座学・視察を中心とした研修。研修期間中の給与は日本のA社が負担。
👨‍💼
担当行政書士のコメント
「外国人社員を海外の提携先研修に出したい」というご相談は、外国人雇用が広がるなかで増えています。 本件の勘どころは、①国籍によってビザの要否が変わること(ネパールはESTA不可)、②研修の実態からB-1で参加できると整理できること、 ③日本での就労継続を示して帰国予定を裏づけること、の3点でした。 申請・面接はご本人が行うため、私たちにできるのは、事実を正確に整理し、面接で一貫して説明できる状態まで準備を伴走することです。 面接予約までに時間がかかることも多いため、研修日程から逆算して早めに動くことをおすすめします。

FAQ

よくある質問

技人国などで日本で働く外国人社員を、米国への海外出張・研修に出すとき、必ずビザが必要ですか?
国籍によって異なります。ビザ免除プログラム(VWP)対象国の国籍であれば、ESTA(電子渡航認証)で短期の商用渡米が可能です。一方、本件のネパールのようにVWP対象外の国籍者は、ESTAが使えず、正規のB-1/B-2ビザを取得し在日本の米国大使館で面接を受ける必要があります(2026年時点)。日本に住んでいても、判断基準は「国籍」である点に注意が必要です。
「研修」の参加でB-1(商用訪問)ビザは使えるのですか?
米国側から報酬を受け取らず(渡航・滞在の実費精算は可)、生産的労働を伴わない座学・視察等の短期研修であれば、B-1で参加できる余地があります。研修期間中も本国(日本)の雇用主が給与を負担し続けることが前提です。実地作業を伴う場合や米国側から報酬が発生する場合は、H-3やJ-1など別カテゴリーの検討が必要になり得ます(米国国務省・CBPの公表情報より)。
技人国の外国人社員が海外出張・研修で1か月ほど日本を離れると、在留資格に影響しますか?
短期の海外研修・出張で日本に戻る予定であれば、技人国の在留資格そのものに直ちに影響が生じるとは考えにくいと解されます。出国から1年以内(在留期限が1年より前に到来する場合は在留期限まで)に戻る場合は「みなし再入国許可」を活用できるため、出国前に在留カード・有効期限や再入国の取扱いを確認しておくと安心です。個別事情により異なります。
米国ビザの取得を行政書士に依頼できますか?
米国ビザの申請・面接は申請者本人が行うもので、日本の行政書士が本人に代わって申請・面接を代理することはできません。当事務所が対応できるのは、DS-160の入力補助、必要書類の整理・整備、面接の想定問答づくりといった「渡米準備の支援」です。本件もこの範囲で伴走しました。
B-1ビザの費用はどのくらいですか?
申請時に支払うMRV(ビザ申請)手数料は、B-1/B-2で185ドルです(2026年時点、米国国務省の手数料表)。手数料は改定されることがあるため、最新の金額・取扱いは米国国務省の公式手数料ページで必ずご確認ください。

まとめ——B-1ビザで外国人社員を海外研修に送り出すポイント

  • 外国人社員を海外(米国)研修・出張に出す際は、国籍によってビザの要否が変わる。VWP対象外の国籍(ネパール等)はESTAが使えず、B-1/B-2ビザと面接が必要
  • B-1ビザでの研修参加は、米国源泉の報酬がなく・非生産的(座学/視察)であることが前提。研修中の給与は日本側が負担し続ける整理が重要
  • 研修の実態(報酬の出どころ・作業内容)を確認し、B-1で足りるか、H-3・J-1等が必要かを見極める
  • 非移民意図(214条(b))対策として、在籍証明・給与明細・源泉徴収票・住民票等で日本での安定した基盤と帰国予定を示す
  • 面接は本人が受けるため、想定問答での準備が有効
  • 米国ビザは行政書士の申請代理の対象外。DS-160入力補助・書類整備・想定問答などの準備支援が実務的な関与
  • 面接予約までに数か月を要することもある。研修日程から逆算し、早めにDS-160提出・予約を進める
  • 出国から1年以内(在留期限が先に来る場合は在留期限まで)に戻る場合はみなし再入国許可を活用できる。出国前に在留手続きもあわせて確認する

外国人社員の海外研修・出張に伴うビザ対応や、技人国をはじめとする在留資格の手続きは、国籍・研修内容・費用負担などの個別事情によって進め方が異なります。 具体的な手続きについては、行政書士 加治屋事務所までご相談ください。


行政書士 加治屋事務所|東京都中央区日本橋エリア
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